二世古酒造は戦う蔵元
日本酒は今や世界に誇る酒である一方手間暇のかかる神秘の飲み物
ロレックスのようなポリシーで造り続けていると感じた。
量産しない、量産できない小さな蔵を守り続ける男息を感じました。
僕の中では、今回訪れるまで、北海道の酒蔵の中でも存在感の無い蔵でした。
北海道の酒蔵
街に並ぶ北海道の酒蔵は 北の誉(小樽)、千歳鶴(札幌)、男山酒造(旭川)、国稀(増毛)、小林酒造(栗山)、金滴(新十津川)、北の勝(根室)、など一般に有名です。
なぜならスーパーや酒屋で普通に買えるから、知名度もあるのです。
北の誉は2016年神谷バーが前身の合同酒精オエノングループに吸収されて小樽の酒蔵は閉鎖されています。
最近では上川大雪酒造が上川、帯広、函館に立て続けに3か所蔵を作ったり、
箱館醸蔵が函館七飯町にこだわりの蔵を国稀で長く杜氏をされていた東谷さんを迎えて創業
また、岐阜県の老舗 三千櫻酒造㈱が東川町に移転して来たりと活気のある酒蔵界隈です。
しかし、酒自体の消費が伸び悩む時代です。
生き残るために、先のオエノングループなど大手に買収されるか活路に悩むのが実状です。
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有限会社 ニ世古酒造
今では外国人の方が多いかもしれない倶知安町にある酒蔵です。
大正5年創業。
「加水調整をしない原酒」・「水」・「空気」・「環境」にこだわる酒蔵です。
水はニセコワイス山系の雪清水と、羊蹄山からの「噴出し湧水」を使用。
蔵は、低温発酵に適している豪雪のかまくら状態の地区にあります。
http://nisekoshuzo.com/company 二世古酒造HPより引用
入口すぐに無造作に並べられた酒
いきなり、親父さんが全部飲んでけー! と
記念写真は法被を着て撮ってけー! と声がかかる。
質問には丁寧に答えてくれる親父さん。
沢山のお客さんが居て、誰がお店の方かわからない状態で親父さんがいきなり飲んでけー!
そんな売店は事務所の横の通路にありました。
僕の家の近所のスーパーなどでは二世古酒造と言えば焼酎の扱いが多く、日本酒がこれほど種類があることを知りませんでした。
僕の好きな原酒系が沢山ありこの日は純米原酒を購入しました。
湧き水が作り出す酒
ニセコワイスホルン1045mの山のふもとに二世古酒造があります。
この場所はスキー場で有名なニセコアンヌプリとエゾ富士 羊蹄山のある土地です。
羊蹄山の周りには伏流水が沢山あり豊かな土地なのです。
豊富な水と土着菌が作り出す酒はその土地の鏡です。
近年ニセコ地方の魅力にオーストラリアや中華資本に開発されて、ニセコアンヌプリの湧き水が枯れる噂もあります。
一方羊蹄山は相変わらずの湧水の様子、倶知安から近い北側の湧水
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この環境の中、二世古酒造は水で薄めない原酒にこだわってきたのです。
2度目に行った時、親父さんが語ってくれたことは、日本酒は量を売らなければ商売にならない。
そのため、居酒屋さんへ卸すことが酒量をさばける。
水で薄めた13~15度くらいのまずい酒をさばく。
こんなことは大手にまかせると。
俺は上手い酒を造るんだと。
だから水で薄めない原酒が多いのかと思いました。
そんなおやじの生酛造りが飲みたくなり、原酒系生酛造りはないかと
生酛造り
尋ねたところ、出て来たのがこのお酒です。
親父はあるかどうかも忘れていたようだが、おばちゃんが蔵の奥から出してきてくれました。
今の時代、このスタイルで酒つくりは大変だと思います。
だから、利益ではなくその気持ちを汲んでくれるお店に卸したいのだとも言っておられました。
何とか生き残ってほしい酒蔵です。
ラベルはおばちゃんの手ハリで、すべて手作業のようす。
期待を裏切らない奥ゆかしさです。
ぬか臭さというか、早く飲まないと乳酸菌が繁殖しそうな味わい。
素晴らしい情熱が伝わってきます。
どこの酒蔵でも酒蔵という職業に携わる人は情熱で仕事をしていると想いました。
今日は増毛国稀酒造へ生酛造りと水くみに行ってきました。
飲み比べが楽しみです。
国稀は飲んでから国稀のページでレポートします。
岩見沢のクラモチ酒店でも買えることになる
どこから来た?
岩見沢です。
うちに岩見沢方面からのお客さんが多いんだ!どこか販売してくれるところはないか?
岩見沢ならクラモチさんですよ!取引ないのですか?
知らないなあ~
そんな会話を親父さんとしました。
その後、クラモチさんで話すとすぐに仕入れてくれたそうです。
2022年広島原爆記念日に行ってみると、クラモチさんから引き合いがあったことを知りました。
お盆休みに早速行ってみようと思います。
この日は家族連れ旅行者が来ていました。
時期的に酒も残り少なくなってきました。
この日はコーヒー焼酎が出ていました。
ニセコ酒造のコーヒー焼酎は透明でコーヒーの香りがするそうです。
最後に奥から蔵の杜氏が登場しました。
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